上映会随想記

 
 
   2003年    4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2004年 1月 2月 3月 4月以後は安芸国人・聞き撮り日誌へ
 

『土徳−焼跡地に生かされて』2003年上映会随想記

●2003年5月4日  広島 真光寺 親戚関係試写会
 初めて広島の実家で公開した。私の母・姉・兄家族・妹、親戚、父の友人総勢 名。みんなが、涙した。原爆前の真光寺と戦後の真光寺が、生々しく2003年5月の真光寺本堂に映し出される。同じ現場の違う時代に撮られた映像をその現場で映写する。なんだか身震いがする。記録映画というのは、現地で上映することこそ最も大きな意味があることを改めて実感した。とにかく皆さん釘付けになって観てくれた。こういった空間での上映というのは、作品の表現とか論評を超えてしまうのだと思う。

●2003年5月5日 広島 横川シネマ試写会
 横川シネマの支配人・溝口徹氏が、『土徳』を観てくれることになった。夜の10時半まで公開中の映画を上映しているのでその後から、観ましょうということなのだが、まずその姿勢に驚いた。横川シネマは、溝口氏一人で運営されている。時々パートのおばちゃんがモギリを手伝うぐらいで、番組選択も、映写も、すべて溝口氏一人なのである。私が、広島を出る前は、成人映画館だったのが、数年前から、溝口氏が、来たときから現在のようなミニシアター系の映画館へ変わったのだそうだ。建物も内装も(紅色のバネ式クッション椅子!)ほぼ昔のままなので、本当往年の映画館らしい映画館だ。夜11時近くになって映写が始まった。自分の生まれ故郷の映画館のスクーリンに自分の製作した映画が映しだされる。この時間を体感できたことだけでも至福の思いであった。終了後、溝口氏が言った。「なんかちょっと胸にきてしまいました。ぜひ9月に上映しましょう!」

●2003年5月10日 関係者試写会・広島市袋町市民交流プラザ
 溝口氏に紹介された広島の巡回上映の会社・シネマキャラバンの友川千寿美さんが、作品の内容を聞いただけで、いたく感動された。「これまで平和教育は、原爆の悲惨な実情ばかりを伝え続けてきた。『土徳』のような日常性の中から原爆を見つめ伝えていくことこそが大事だと思う」友川さんは、映画「はだしのゲン」の頃から、広島で、自主制作映画などを中心に上映活動されてきた方だ。袋町市民交流プラザという所で急遽、マスコミ関係者も招く試写会を手配してくださった。連絡が遅れたためマスコミは、NHKの方だけであったが、私の小学校時代の同級生や、妹の家族や知人など20人ぐらいの方々が、集まり盛況に終った。

●2003年5月30日 東京
 シネマ下北沢の荒井さんより電話があり、8月に『土徳』を上映したいとのこと。ビデオを送ってほぼ二ヶ月。劇場の試写が遅れ決定が今になったそうだ。それにしても残る2ヶ月で、プレス試写会の実行、チラシ、ポスター、前売り券、パンフレットの作成、上映中のイベント計画にかからなければならない。うれしい反面、本当に実現できるのだろうかという不安感の方が、つのった。