−新潟県松之山町ー

 

  新潟県南西部の山間地・東頚城郡松之山町は、

  多い年で3メートル以上もの雪が積雪する豪雪地帯である。

  美しい棚田が多くみられる農村地帯で、

  中心地には松之山温泉郷がある


  明治時代から昭和初期にかけて松之山には、

  木羽(コバ)葺きと呼ばれる民家が、数多く存在した。

  薄割にした木の板で葺かれる木羽屋根民家は、

  現在そのほとんどが金属のトタン葺きに切り替わっている。

 

  2004年秋、松之山在住の倉重梹沽Yさんがいった。

  「おらの家の馬屋もう30年以上もたったから、そろそろ修理しようと思う。」

  倉重さんは、長年木羽葺き屋根をてがけてきた木羽職人なのである。

  木羽葺き職人は、
松之山、いや日本でもおそらく数少ない存在であろう。

  その稀有な職人が、自ら暮らす木羽葺き民家の屋根を自らの熟練した技術で葺いていく。

  かつて当たり前だったこの人間のささやかな営みが、今30数年ぶりに蘇る!

  こつこつ丹念に繰り広げられる倉重さんの技術をご堪能ください。

  
 


【オオワリ作業】

  玉切りした丸太材を縦割りにする。

  オオワリは年輪の目を見据えながら、割っていく。

  その切り方によって柾目、追い柾、板目と

  三種の板・コマ板が作られる。






   【コバヘギ作業】

    オオワリしたコマ板からさらに八分割し

    木羽板をへいでいく。

    木羽板は、一尺のシャクコバ、一尺二寸のシャクニコバ    
   
の二種類の長さがある。

    他、コツラ板、杉皮削りなど木羽材料の製作工程を

     丹念におっていく。






  【木羽葺き作業】

   いよいよ屋根葺きである。

   屋根のそれぞれの場所に応じて、

   種類の違う板を選んで葺いていく。

   軒先の最初はコツラ板、ついでシャクコバ、シャクニコバ…

   口に鉄釘を含んでトントントントンと板を葺いていく。

   馬屋と母屋の接続部「ダキ」では、マワシコバと呼ばれる技術

   馬屋の妻側の軒先部「ノボリ」では、親板と中板を交差させる技術

   その細かい巧みで見事な技術と知恵は、

   豪雪地帯で培われた結晶である。



    他、木羽葺きでかつて使われていた竹釘作りの再現、温泉郷在住の元大工さんのインタビューなどを

     おりまぜながら、木羽屋根民家の歴史とその技術の実像を浮き彫りにしていく。

  
                
  


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